Kintoneとは
このワークショップでは、ラズパイでアプリを動かしたときにできるデータ(例えばカメラで撮った写真やセンサーの計測値など)をクラウド・データベースに保存します。クラウドとは、インターネット経由で(ブラウザを使って)サービスやデータを利用、提供する形態のことで、クラウド・データベースとはインターネット経由で利用できるデータベースです。このワークショップでは、Kintone(キントーン)というクラウド・データベースを使います。商用のデータベースですが、無料の開発者ライセンスを取得することができます。
Kintoneは、インターネット経由でデータの保存や検索、その他のデータ処理を可能にするデータベースです。ブラウザ上のマウス操作で、保存するデータの種類や順番などを簡単に設計できます。そして、PCやラズパイ、スマホ、タブレットからインターネット経由でデータを保存します。Kintoneに保存されているデータは、ブラウザや専用のモバイル・アプリを使って閲覧したり、検索したり、グラフ化することができます。
例えば、部屋の湿度を定期的に(例えば10分に1回)測定するアプリをラズパイで動かしているとしましょう。湿度を測定するたびに、このアプリは湿度のパーセンテージと測定時刻をKintoneに保存します。アプリが長時間動作すればするほど、Kintoneの中に保存されているデータの量も増えます。ブラウザや専用のモバイル・アプリを使って、そのデータを見るだけでなく、さまざまな検索が可能です。例えば、今日最も湿度が高かったのは何時だったか、今週最も湿度が低かったのはいつか、先週湿度が40%を下回った時間帯が合計何分あったか、といった検索ができます。
Kintoneは、外部のインターネットサービスと連携する機能も備えています。例えば、湿度が事前に設定したレベルを超えたら、Kintoneにユーザへ通知させることができます(テキスト、メール、LINE、Slack、Google Hangoutなどを使って)。あるいは、自宅のスマートスピーカーに、今日最も湿度が高かったのは何時だったか聞いて、スピーカーがKintoneに接続、湿度データを検索し、検索結果を音声で答えさせることも可能です。こういった連携機能を使うと、ブラウザや専用アプリを使ってデータベースにアクセスしなくても、データの動きを調べることができて便利です。
Kintoneに保存できるデータの種類は、文字、数字、日時、時刻などの基本的なものだけでなく、リンク(例えば、Google Mapsの地図上の特定の位置を示すリンク)や画像、動画、音声など、多様な種類のデータに対応しています。