1日目開催日までの準備
目次
Raspberry Piについて
このワークショップではRaspberry Pi(略称ラズパイ)という小型コンピュータを使います。これをざっくり理解するために、まずは以下のページをお読み下さい。
次に、以下の画像をプリントアウトしてください。できればカラーで、紙のサイズいっぱいに大きくプリントアウトしてください(画像の上で右クリック(マウスの右のボタンをクリック)して、「画像を見る(View Image)」というようなメニューを選択し、プリントアウト)。
この画像は、ラズパイのボードから垂直に突き出ている40本のピンが、それぞれ何の役割をしているかを図示したものです。ラズパイを使って電子工作をするときに、どのピンが何なのか分かっていないといけないため、手元にこのような図表を置いておく必要があります。なお、この40本のピンは、以下の写真のようになっています。
この40本のピンを総称して、GPIO(General Purpose Input Output)と呼びます。さまざまな電子部品を接続して、それを制御するのに使います。
基本的な準備
準備するもの | 備考 |
---|---|
コンピュータ | 参加者(お子さん)一人に一台。ラップトップでもデスクトップでも可。Chromebookでは不具合が生じることが多いのでWindowsかMacを推奨。Zoomアプリ、ラズパイのセットアップ・操作、プログラミング作業のために使う。 |
メールアドレス | 参加者(お子さん)一人にひとつ。参加者本人のものを用意。兄弟・姉妹で共有しない。このワークショップで使用する各種サービスのアカウントは、メールアドレスに紐付けられるため。 |
Slack | チャット・アプリ。保護者用。保護者と主催の間の連絡、保護者間の情報共有のために利用(例えば、どこで機器を買うのが安いか?もともと自宅にあったケーブルをラズパイ用に使えるのか?などの情報共有) |
Zoom | 参加者(お子さん)が使うコンピュータにZoomのアプリをセットアップしておく。 |
Raspberry Pi Imager | ラズパイOSをSDカードに書き込むためのアプリ。参加者(お子さん)が使うコンピュータ用にMac版かWindows版をダウンロード、インストールしておく。 |
RealVNCのアカウント | コンピュータ(ラップトップかデスクトップ)とラズパイを接続するのに使うサービス。参加者(お子さん)のメールアドレスを使って登録。より詳細はここを参照。 |
GitHubのアカウント | ワークショップで使うサンプルプログラムをダウンロードするのに使うサービス。参加者(お子さん)のメールアドレスを使って登録。登録の際に最初に設定する「Username」はGitHubで公開されるので、子どもの年齢によっては本名を使わない方がよいかもしれない。その後に設定する「Name」は本名でも構わない(非表示にできる)。登録が終わったら、ここを読んで、必要なセットアップをすること。 |
各種サービスのアカウント設定
RealVNCの設定
このページで「Sign up」のリンクをクリックして新規アカウントを作って下さい。アカウントを作る過程で、「business use」か「personal use」を選択する箇所があります。「personal use」を選んでください。
また、3つのサブスクリプション形態(HOME、PROFESSIONAL、ENTERPRISE)からひとつを選ぶ箇所では、HOMEを選んでください(Activateボタンをクリックする)。「Home」サブスクリプションは無料です。正式名称は「RealVNC Connect Home Subscription」。
アカウント作成が終わると以下のようなページが表示されます。ここまでで準備は完了です。その先の作業は、ワークショップ中に参加者に説明します。表示中のページに続きの作業内容が書かれていますが無視して構いません。
GitHubの設定
GitHubのアカウントを作ったら、3つ設定することがあります。
- アカウントを作る時に、「Name」として参加者の本名を入力したと思います。本名が公開されないようにするには、GitHubにログイン後、ページの右上にあるアイコンをクリックして、「Settings」を選択してください。そして、左側の「Public Profile」をクリックし、「Name」のところを自由に書き換えてください。私の子どもは、NameとUsernameを同じにしています(もちろん別々にもできます)。
- アカウントを作る時に、参加者のメールアドレスを登録したと思います。そのアドレスを非公開にするには(そのアドレスにスパム・メールが来ないようにするには)、GitHubにログイン後、ページの右上にあるアイコンをクリックして、「Settings」を選択してください。そして、左側の「Emails」をクリックし、「Keep my email addresses private」というところにチェックを入れてください。
こうすると、プロファイル・ページ(Usernameがhssbostonならhttps://github.com/hssboston)に本名とメールアドレスが表示されなくなります。
- 最後に、ワークショップで使うサンプル・プログラムを参加者が使えるようにして、自習プロジェクトのページを閲覧できるようにします。まずはSlackにて、参加者のGitHubのユーザ名(Username)を講師に伝えてください。その後、参加者のメールアドレス(GitHubのアカウントと紐づいているアドレス)へ、以下のようなメールが届きます。
メールの中の「View invitation」をクリックして、invitationをアクセプトします。そして、ページの左上にあるアイコン(猫のアイコン)をクリックして、以下のように「jxsboston/IoT-Kids」というリンクが表示されれば完了です。その先の作業は、ワークショップ中に参加者に説明します。
機器の購入
参加者一人に対して、以下の機器がひとつづつ必要です。
機器 | 備考 | 購入例 |
---|---|---|
Raspberry Pi | Slackに投稿されたメッセージを参照。購入したラズパイの機種を確認のこと(Raspberry Pi 4か、Raspberry Pi Zero)。Raspberry Pi Zeroを購入した場合には、追加でこれを購入(同じものをここからでも購入可)。 | |
電源ケーブル | ラズパイを単品ではなくキットで買った場合には必要なし。電源コンセントからラズパイへ給電するためのケーブル。片側の端を電源コンセントに差し込み、反対側の端をラズパイに差し込む。Raspberry Pi 4を使う場合は、5V-3Aのものであることを確認。よく分からない場合には右例のものを購入のこと。ラズパイ側の差し込み口の形状は、使うラズパイの機種によって異なる。必要に応じて付属のアダプター(差し込み口の形状を変換するアダプター)を使う。よく分からない場合には右例のものを購入のこと。 | Amazon |
Micro SDカード | ラズパイを単品ではなくキットで買った場合には必要なし。サイズの大きめのSDカードではなく、Micro SDカード。ラズパイのOSやアプリ、その他データを保存するストレージとして使う。 | Amazon |
SDカード・リーダー | 手持ちのコンピュータでラズパイOSをダウンロードした後、それをMico SDカードへ書き込むのに使う。もし手持ちのコンピュータにSDカードリーダーが付いていれば、必要ない。SDカードリーダーに、サイズの大きめのSDカードしか差し込めない場合には、MicroSDを差し込めないので、サイズ変換用のアダプタを使う。このアダプタは、Micro SDカードに付属していることが多いが、付属していない場合もあるので注意。また、SDカード・リーダーが手持ちのコンピュータに差し込めることを確認する。SDカード・リーダーのUSBの形状はUSB-A(昔ながらの、断面が長方形のもの)であることが多く、その場合、手持ちのコンピュータにUSB-Aの差し込み口がなければならない。MacBookなどの最近のラップトップには、USB-Cの差し込み口しかないので、その場合はUSB-AからUSB-Cへ変換するアダプターを用意すること。例えばこれやこれ。ちなみに、USB-Aは昔からある差し込み口の形状(長方形)で、USB-Cは楕円形のような形状。 | Amazon |
電子工作キット | 電子回路を作るための道具(LEDや抵抗などの部品やワイヤ)がセットになったもの。 | Amazon |
Raspberry Pi Zeroを購入した場合に必要な作業
Raspberry Pi Zeroを購入した場合、ZeroのボードにはGPIOのピンが付いていません(刺さっていません)。したがって、GPIOピンをボードに打ち付けるキットを別途購入する必要があります。ハンマーを使ってGPIOピンを打ちつけます。使い方はここを参照して下さい。動画はこれが分かりやすいです。
必須ではないが便利な機器
ブレッドボード・ホルダー
ラズパイは小さくて軽いので(Zeroは特に)、机の上に安定して置いておくのが意外に難しいです。ケーブルに引っ張られて動いたり、ワイヤーに引っ張られて机から浮き上がったりします。ラズパイを安定させるには「ブレッドボード・ホルダー」が便利です。これは、くぼみの付いたプラスチックの板で、くぼみにラズパイをネジ留めできます。私はこれを使っています。
GPIOのリファレンス
GPIO(General Purpose Input Output)とは、ラズパイのボードから垂直に突き出ている入出力ピン(40本)で、さまざまな電子部品を接続して制御するのに使います。上の写真で、ボード上部に並んでいる金属のピンがGPIOです。
ラズパイを使って電子工作をするときには、どのピンが何をするピンなのか分かっていないといけないため、先に準備をお願いしたような図表をプリントアウトして手元に置いておくと便利です。
もっと便利なのは、GPIOのピンを通してヘッダーの上に直接のせられるリファレンスボードです。これを使うと、GPIOのピンとワイヤーの配線ミスを減らせます。私はこれを使っています(同様にこれもこれも定評あり)。
個人的におすすめしたいのはこのキットです。GPIOのリファレンスボードとLEDの信号機がセットになったものです。このLED信号機をワークショップ中に使う時間はありませんが、自習プロジェクトのひとつとして使い方を説明してあります。